今回は、住民が感じる利便性を考えてみましょう。集団回収を成功させるには、住民の利便性を考えてあげるのは必須です。自分たちの利便性だけを考えていると、住民に愛想を尽かされてしまいます。「住民の立場に立って考える」そう言えば最もらしいですが、それが的を得ていなければ何の意味もありません。では具体的に考えて行きましょう。まずは集団回収の排出量をアップさせるために考え得る住民の利便性は以下の通りです。3、住民が感じる利便性 3−1 月1回収を月2回の回収、あるいは毎週回収に変更 3−2 集積所回収から戸別回収、あるいはその両方のハイブリッド回収 3−3 団体へのサービスを惜しまず提供順に考えて行きましょう。3−1 月1回収を月2回の回収、あるいは毎週回収に変更月1回の回収よりは月2回の回収日がある方が、住民にとっては便利です。月2回しか回収日がないよりは、毎週回収してもらえる方が、住民にとっては便利です。当然ですよね。念のため説明しておきますと、月1回しか回収がなければ、絶対にその日に回収してもらわなければいけません。なぜなら、その日を何らかの理由で逃してしまうと、来月まで回収に来てくれないからです。ということは、家の中に古紙が溜まります。住民からすれば、古紙はゴミ同然なので、ゴミが家を圧迫します。ゴミが家にあるよりは、スッキリと片付いた方が気持ちいい。当然のことです。では、逃してしまって出せなかった古紙はどうなるのでしょうか?来月まで家に置いておく?とんでもない!私ならば、邪魔なゴミをいつまでも家の中に置いてはいないでしょう。来月の回収を迎えるまでには処分してしまうでしょう。チリ紙交換に出してしまうか、最近流行りの古紙リサイクルステーションに持って行くでしょう。だから、月1回の回収よりも月2回なんです。でもちょっと待って下さい!チリ紙交換って、週に何度も来ていますよね?週に何度も来るということは、住民にとっては「いつでも捨てられる」ということです。いつでも捨てられるという安心感。便利ですよね!だから、月2回の回収よりも、毎週の回収の方が住民の立場では利便性があるのです。ですが、我々の立場で考えると、毎週の回収は割に合わないですよね。住民にとっては便利でも、それでは我々が赤字を被らないといけなくなる。ですから、私は月2回の回収で提案しています。3−2 集積所回収から戸別回収、あるいはその両方のハイブリッド回収集積所での回収は、我々にとっては楽です。ですが、住民にとっては。。。面倒でしょう!雨の日はどうするの?集積所まで持って行くとなると、結構億劫でしょう。小雨ならばマシですが、大雨の日は最悪です。ただでさえ古紙は重たいのに、それを集積所まで運べだなんて。。。最近は住宅地も高齢化が進んでいます。特に、築数年が経ったベッドタウンともなると、高齢化が著しい。そんな高齢者には、集積所の回収はキツいでしょう。戸別回収にしてあげると、それこそ感謝していただけまよ!集積所って、だいたい1ヶ所でどれくらい排出されているか認識していますか?その集積所は、1ヶ所に付き何世帯カバーしていますか?適正な世帯数は分りませんが、私の経験上では、だいたい15〜20世帯が限界でしょう。よほど住民に協調性があれば別ですが、それ以上の世帯数をカバーするには限界が生じます。あまりにも集積所まで遠ければ、とても面倒です。チリ紙交換行き決定ですね。そう考えると、集積所よりも戸別回収の方が排出量はアップします。3−3 団体へのサービスを惜しまず提供これは、それだけの価値があれば、それくらいはサービスしてあげようとうことです。ちょっとサービスしてあげれば、もちろん住民は喜びます。それで住民とのコミュニケーションがとれて、信頼関係が築けるならば、サービスを惜しむ理由はありません。私はどんどんサービスをしてあげていますよ!例えば、掲示板に掲示してあげるのを手伝うとか、チラシを配布してあげるとかですね。やはり、我々が協力してあげれば、住民も積極的になってくれます。我々が住民任せならば、住民も白けてしまいますよね。せっかく、その団体でお世話になるのだから、団体と一緒に増やす方向で一緒に努力してあげればどうでしょうか。そうすることで、間違いなく「増える方向」に進んで行くでしょうね。長くなりましたので、この辺にしておきましょう。このように、利便性を追求するのは難しい!なぜなら、我々が楽をすれば、住民にとっては苦になる。住民が楽であれば、我々は苦なのです。常にトレードオフの関係になってしまうから難しいのです。ですから、お互いが納得できる方法を探さなくてはいけないのです。